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【アクティブラーニング】
リアルタイムに学習者の学びの様子を把握し、適切なファシリテーションを提案できるファシリテータ支援システムの構築を目指す。情報工学科山本研究室の研究チーム

学びに向かう力、思考力、表現力などを育む手法として注目されている「アクティブラーニング」において、ファシリテータである教員がリアルタイムに学習者の学びの様子を把握し、学びの状況に応じた適切なファシリテーションを提案できるシステムが構築できないか?

この課題について、情報工学科山本 知仁教授の研究室(専門:ヒューマンコンピュータインタラクション、ヒューマンインタフェース、ヒューマンコミュニケーション)の杉本 貴哉さん(2023年大学院情報工学専攻博士前期課程修了)と 鈴木 崇太朗さん(大学院情報工学専攻博士後期課程1年)が取り組んだ研究が『ヒューマンインタフェース学会論文誌/26 巻 (2024) 1 号』に掲載されました。

将来的には、教員に代わってファシリテーションを行うロボットの構築も視野に入れた野心的な研究です。

【アクティブラーニングでの課題】

近年、教育の現場では知識を身につけるだけではなく、学びに向かう力、思考力、表現力などを育むことが重要視されており、そのための手法として主体的、対話的で深い学びである「アクティブラーニング」が注目されています。アクティブラーニングでは教員は、単に知識を伝えるだけではなく、共に学びを進めていくファシリテータとして学習者と対話をする必要があり、その対話の質が結果として学習成果に影響を与えることになります。

教員には常に学びの状況を正確に把握しながら、適切に学習者と関わっていくことが求められますが、時々刻々と進んでいく授業においてそれを行っていくことは必ずしも容易ではなく、また学習者の数が増えていくと、さらに学びの状況を正確に把握することは困難となります。

そこで、この問題の解決策として、リアルタイムに学習者の学びの様子を把握し、ファシリテータである教員にそれを伝え、必要があれば学びの状況に応じた適切なファシリテーションを提案するような支援システムについて検討しました。

【研究の概要】

山本研究室では2021年に、ラーニングの学習形式の一つであるグループワーク(具体的には知識を習得するタイプのグループワーク)におけるコミュニケーションの非言語情報に注目し,スマートフォンのセンサで計測された身体動作の活動量と学習成果、コミュニケーションの主観的評価の関係を解析。その結果、活動量と学習成果、およびコミュニケーションの主観的評価の間に正の相関関係がみられることが明らかになりました。

一方で、当先行研究では、グループワーク中の発話内容や、「頷き」「手の動き」などといった詳細な身体動作については解析されていませんでした。

本研究では、この先行研究で得られたデータを発話、身体動作の観点から以下のように詳細に解析しました。

1)これまで明らかになっていなかった発話の品詞,および個々の身体動作と学習成果の関係を明確にすることで、グループワークの状態をより正確に把握するための知見を得る。具体的には、グループワーク中の会話に関するコーパスを作成し,自然言語処理を行うことで会話に含まれる品詞の特徴を解析する。

2)グループワーク中の身体動作にラベルを付与し、各動作の出現時間など身体動作に関する特徴を解析する。これらの結果と先行研究の学習成果、活動量、コミュニケーションの主観的評価との関係を調べると共に、品詞と身体動作の関係について調べる。

3)得られた結果に基づき、どのような発話や身体動作が現れていると、グループワークが良い状況、もしくは悪い状況なのかを議論し、それらの状況に適したファシリテーションについて検討する。

※コーパス

AIが自然言語を扱うために必要なデータ。自然言語の文章や使い方を大規模に収集し整理したデータベース。

【本研究のまとめと今後の展望】

本研究では、アクティブラーニングの学習形式の一つである知識習得型のグループワーク中のコミュニケーションと学習成果の関係を明らかにするために、学習成果、活動量、コミュニケーションの主観的評価と、発話の品詞、発話行為、詳細な身体動作との関係について解析を行いました。

結果として、次のようなことが明らかとなっています。まず、よりよい学習成果を得ることができるグループワークでは、発話者がジェスチャー等の手腕の動きを伴い、より具体的かつ重要な部分を強調する説明を行っています。その説明に対し、他の学習者は発話者や手元の資料により注意を払いながら、「うん」、「はい」などの応答を、頷きを伴って行っています。また、ある発話者が長く話すのではなく、学習者全員が適切な発話長で話しており、結果として発話数が多く、話者交替も多く行われます。同時に、話者が交替するまでに他の学習者の手は頭部やペンを触っていたりします。

先行研究で学習成果と活動量の間で正の相関関係がみられていたのは、このようなグループワークでみられる「頷き」や「手腕の動作」、「予備的な動作」を、スマートフォンの加速度センサで計測することができていたからだと考えられます。これらの結果は、本研究の目的であった、グループワークにおいて学習成果とどのような発話や身体動作に関係があるかを明らかにしており、グループワークの状況をより正確に把握できる可能性を高めたといえます。

今後は、本研究で得られた結果を元に、リアルタイムにグループワークを評価し、ファシリテータである教員にその状況と、適切なファシリテーション案を提示するシステムの構築を行っていく予定です。その際、教員に代わってファシリテーションを行うロボットについても構築を目指します。また、本研究で行った知識習得型のグループワークだけでなく、アイデアを創出するようなグループワークについても実験を行い、どのようなコミュニケーションがよりよい成果につながるかについても明らかにしていきます。

【掲載論文】

特集論文「コミュニケーション支援Ⅶ」
「知識習得型グループワークにおける学習成果と言語及び非言語情報の関係」
杉本 貴哉, 鈴木 崇太朗, 山本 知仁
ヒューマンインタフェース学会論文誌/26 巻 (2024) 1 号

https://doi.org/10.11184/his.26.1_25

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